反転世界1
※性別反転ネタです
型月エースvol.5の公式性別反転に調子に乗って書きました。基盤は藤にいです。
いつもの衛宮義姉ですが、性別反転なので衛宮義兄になってます。元ネタを知らないと意味が分からない話です。
完全にネタとして書いているので、地の文が突っ込みと化しています。そして、オチすらもネタです。
上記の点が許せる方のみ、こちらからどうぞ。
vol.6掲載の漫画で女体化士郎の名前が志郎(シロ)と判明したので修正しました。
「というわけで、今回は性別反転の状態でお送りします」
「随分と唐突だね」
「ちなみに中身も反転しているってことでよろしく。もう元からこの状態だったってことで」
「はぁ……もう何でもいいよ」
「皆さん、何が起きても動じなくなってますね」
居間には現在衛宮家に居候している顔触れが集められていた。
いつもと同じであるが何かが違う。
けれども、それについて異を唱える者は居ない。
長いものには巻かれろ。騒いだところで何も解決しないことは分かっているからだ。
一種の平行世界だと流すのがこの場において唯一の正しい判断だった。
「それで、今日皆に集まって貰ったのには理由があるんだ」
「おや、単に性別反転をやってみたかったからでは無いのですか?」
「ライダーの言う通り、型月エースvol.5の公式性転換が美味しかったのは否定しないけど、この状態でやってみたかったことはちゃんとあるよ」
「兄、そういうメタ発言はやめておいた方が……」
「シロ、それを言うなら、そもそもの前提を正すべきでしょう」
「というか……性別反転しているのに、名前はそのままなのね」
「考えるのが面倒だったらしいよ」
「うわ、言っちゃいけないことをさらりと……」
最早誰が喋っているのか、文字だけでは把握出来ない。
正に混沌とした空間が形成されつつある。
ちなみに一応注釈を入れておくと、シロ以下の発言はセイバー、イリヤ、凜、の順である。
しかし、そんな状況にもめげない人物が一人。
何を隠そう、この
「まぁ、楽しければ良いんじゃない? 不自由があるわけでもないしさ。それで、はなんで皆を集めたんだ?」
「流石、大河は分かってるなぁー。今日皆に集まって貰ったのは他でもない、衛宮家の下宿事情についてだよ」
「それはまた、随分と今更な話を持ち出しますね」
「今更じゃないさ。考えても見なよ、今、志郎は女の子なんだよ? それに対して君達は全員男だ」
「成程、そう言われてみると確かに問題ですね」
「そうだね。男女の力の差もあるから、やろうと思えば力付くで」
「兄さん、そういう発言は良く無いと思います!」
本来ならば、男である士郎の元に女の子ばかり数人下宿しているという状態である。
それもそれで問題ではあるが、士郎の人となりに信頼があるからこそ保護者である二人から許可されていた。
だが、今はそうではない。
志郎という女の子と、彼女に好意を持つ数人の男性が同居しているのだ。
兄として見過ごせるわけがない。
「そう、狼の群れの中に羊を一匹だけ放り込んでるようなもんだ。可愛い妹が危機に晒されてるのに、俺が黙ってるわけないだろ?」
「可愛い妹って言い過ぎだよ、兄。心配してくれるのは嬉しいけどさ」
「……先程から気になっていたのだが、君は反転前とキャラが変わり過ぎではないか?」
「安心しなよ、アーチャーが一番大切なのは変わってないから」
「そういうことではない」
「まぁ弟と妹の違いだろうな。妹の方が可愛いのは自然の摂理だ。姉と弟ならまだしも、兄と妹ならそりゃ過保護にもなるさ」
「単純にシスコンの兄という設定が好きなだけでしょう。誰がとは言わないけれど」
「でもイリヤのことも好きだから、正しくはシスコンでブラコンかな」
兄妹に限らず、姉妹におけるシスコンも好きだというのはまた別の話だ。
姉弟だとそうでもないのに、兄妹になると途端に残念なものなるのは何故だろうか。
そして未来の義弟だと問題は無いが、未来の義妹との恋愛は非常に危険臭がするのはどういうことなのか。
恐らく視点の問題だろう。
「はいはいっ! 俺も保護者として心配してた!! は何か解決策あるのか?」
「それを考えたから皆を集めたんだよ」
「でも、部屋だって僕達は離れで暮らしてますし、これ以上どうするって言うんですか?」
「簡単な話だよ。俺と闘って負けたらうちから出て行って貰う」
至極あっさりとは言い切った。
それは単純明快であったが、多くのものが理解不能という顔をしていた。
無理も無い、晴天霹靂とは正にこのことだろう。
「ルール無用だから何使っても良いぞ、但しこっちも手段選ばないから。俺をKOさせたら勝ちな、負けたら即退去」
「ちょ、待ってよ! 家主は志郎だろう? 志郎が良いって言ったならさんは関係な」
「何言ってんだ凜、家主は俺だぞ? 長男が家継ぐのは当たり前だろう、あっちと同じと思うな」
「無茶苦茶ですね」
「そういう世界だから」
その一言で全てが片付けられる。
恐るべし、性別反転世界。
きっと様々なところでもっとアレな変化が起きているのだろう。
言峰やバーサーカーの辺りに至っては、想像の限界を越えている。
いや、脳が思考を拒否していた。
「さて、覚悟が出来た奴から道場に来てくれ。あぁ、大河は悪いが外してくれるか? ルール無用とは言え、一対一の真剣勝負だ。邪魔されるのは嫌だし」
「えー何でだよ、邪魔なんてしないぞ? 俺ってそんな信用ないかなぁ」
「「無いね」」
「うぅー弟と妹がいじめるー」
藤ねえだろうと藤にいだろうと何一つ変わらない。
この場に居る唯一の一般人である筈だが、その適合性には眼を見張るものがある。
藤村大河の面目躍如だった。
「大河、良い大人がみっともないよ」
「イリヤくんには分からないよーだ」
「まぁ、僕は虐められたことないからね。ねぇ、当然僕は免除だよね?」
「うん、イリヤは免除、家族だから。他は例外一切無しな、勿論セイバーも」
「異議ありです、。私はシロのサーヴァントだ。彼女の側にあり、その身を守る責務がある」
「でも今は、自宅警備員だろう?」
またの名を腹ぺこ王、健啖王とも言う。
其処に騎士王と呼ばれた勇姿は見る陰も無い。
言っていることは格好良いが、聖杯戦争が終わった今となっては虚しく響くだけだった。
「それに取引しちゃったからさ、約束破るとあの人は煩そうだし」
「取引って、何したの姉」
「セイバーが教会に住むようになるかもしれないからって、金色の人に頼んでちょっと宝物庫の中身幾つか借りてきたんだよ」
「金色の人……それってギルガメッシュ!?」
「例えセイバーが此処を出たとしても、教会に行くことだけは有り得ないと思うのですが。良くやりますね、
」
「ギル様が勝手に勘違いしただけだよ。言ったろ? 手段選ばないって。志郎を守る為なら、俺は何だってやるよ」
シスコン此処に極まれり。
自分が裏切ってしまった妹の為に輪廻の枠から外れた人物はやることが違う。
この分だと、闘いには間違いなく魔術も使用してくるだろう。
歴史の改変、物語への介入など知ったこっちゃない、という勢いだ。
本来の設定は何処へ行ったのか。
「俺の眼が黒い内は、志郎は嫁にやらないよ」
「……やるしかないようですね。手加減は致しませんよ、」
「本気ってことか。どうあっても逃げられないみたいだね」
「それでさんが認めてくれるなら、僕も頑張らせて貰います」
「出来れば貴方とは闘いたくなかったのですが、仕方ありませんね」
不敵な笑みを浮かべるが本気であることが分かり、それに応対するかのように闘志を燃やす4人。
聖杯戦争を戦い抜いた魔術師とサーヴァント達に、彼は怯む様子すら見せない。
その余裕は何処から来るものなのか。
ほとばしる闘志を隠そうともせず、5人は道場へと向かって行った。
それを見送り、居間に残った人物が6人。
「それで、オチはどうするの?」
「どうせ考えてすらいるまい。適当にお茶を濁して終わりだろう」
「戦闘シーン書く文才なんて無いからね。暫くはシロお姉ちゃんを独り占め出来そうだから、僕としては何でも良いよ」
「イリヤ…あれ……」
「え、あぁー大河! 何食べてるの!?」
「だって俺が傷付いてるのに誰も慰めてくれないし! 何か美味しそうなのがあったからやけ食いしてたんだよ」
「どう見ても、それは食用では無いだろう」
「藤にい、手当たり次第に何でも食べちゃ駄目って言ったよね!」
「もう少し長く楽しめると思ったのに……これで終わっちゃうじゃないか、大河の莫迦っ!」
オチなら其処で藤にいが食べてるよ、ということで強制終了。
そのへんにしておけよ、と言われるべきはきっと藤にいでは無い。
これは、こんな衛宮家もあったかもしれない、ifの世界の話。