vs封印執行・鉄腕ブリーカー
※自宅クロスオーバーネタです
衛宮義姉と教会居候がチームを組んで例の温泉を目指す花札道中シリーズの3話です。
1話をまだ読まれていない方はこちらからどうぞ
上記をご了承頂けるは、3話へどうぞ。
士郎とセイバーに見事勝利したとは深山町の十字路を目指す。
そして次に出会ってしまったのは、最教マスターと最弱サーヴァントの組み合わせだった。
「げっ、よりによってアンタらかよ」
「顔を合わすなりそれは酷いんじゃないかしら、アヴェンジャー」
「はいはい、済みませんでしたね。うっかり本音が出ただけなんで笑って許せよ、ねーちゃん?」
「思い当たる節は無いんですけど、貴方に嫌われるようなことしてしまったんでしょうか?」
「いや、俺が一方的に苦手意識持ってるだけ。だってとにかくやりにくいし」
「それにしても意外な組み合わせですね、貴女達二人が共に行動しているとは」
「そうか? まぁ順当だと思うけどなー」
立ち塞がる相手は蹴散らすのみと決めて義弟を倒して此処に居るであるが、話し合いという選択肢が無いわけではない。
尋ねるまでもなくもまたそれを望んでいることは分かった。
向かい合うように立っている二人の様子を伺うと、顎に手を当てて何やら思案しているバゼットを余所に、アヴェンジャーはどうすっかなぁと明後日の方向を見ながら呟きを漏らしている。
こちらから動く気が無い以上、相手の出方を待つしかない。
「それでマスター、あの二人と戦えんの? 義理とかそういうの大事にしてるアンタのことだ、かなり厳しいと思うんだけど?」
「うっ……た、確かににもにも私が世話になったのは事実です。それについては感謝しています」
「それならバゼット、道を譲ってくれないかしら?」
「アンタはもう少し遠慮しろよ……そっちのお前も同じ考えなワケ?」
「え、私はバゼットさんがそんなに気負う必要は無いと思いますよ? だってあれは私が勝手にやったことですから」
「だってさ。というわけで好きにしたら良いんじゃねえの、俺としてはバトル展開希望で!」
楽しそうにアヴェンジャーは笑顔を浮かべているが、バトルと言えども所詮花札である。
いや、最弱と自称する彼のことだ、むしろ肉弾戦で無いからこそ楽しみなのかもしれない。
しかし彼がいくら乗り気とは言え、決定権はマスターであるバゼットにある。
そのバゼットはといえば、両の手の手袋をしっかりと嵌め直していた。
どうやらやる気になってしまったらしい。
「……二人共済みません。私も簡単に諦められるような覚悟で来てはいないので」
「まぁそうよね。今の貴女ならこうなると思っていたもの」
「どういう意味ですか?」
「以前のバゼットさんよりも今のバゼットさんの方が素敵ということですよ」
「え、あ、あの……いきなりそんなことを言われると、困るのですが……」
数秒前までの勢いは何処へやら、眉をハの字に寄せて困惑するバゼットにアヴェンジャーはおいおいと苦笑を浮かべる。
別に彼女達は狙ってやったわけではないのだろうが、バゼットのやる気を物凄い速さで削いだことに変わりは無い。
「はぁ……これだから嫌なんだよアンタら、うちのマスター誑かさないでくんない?」
「失礼ね、思ったことをそのまま言っただけよ。ねぇ、ちゃん?」
「はい。あ、でもバゼットさんが素敵な女性であることに代わりはありませんよ?」
「だから、それを止めろっての。ほら、バゼットもしっかりしろよ」
「ア、アンリ……?」
アヴェンジャーが肩を掴んで軽く揺さぶると、焦点が定まっていなかったバゼットの視点が彼に向けられる。
幾度か不思議そうに瞬きをした後、はっとした表情を浮かべた。
「やることは分かってんな。願いを叶えるんだろ?」
「えぇ、手間をかけさせましたね。いきますよ、アヴェンジャー」
「了解。それじゃあ殺しアイますか」
「ふぅ……続けてこの顔と対戦なんて気が乗らないんだけれど、仕方ないわね」
(……マスター、札折り過ぎ)
(あの、バゼットさん。花札はいくらでも代わりがありますから、気を落とさないで下さい)
(いや、そこじゃないだろ)
(バゼット。ランサーの働いてる喫茶店のバイトなら紹介するから、いつでも言ってね?)